情は人の
情けは人の為ならず、
昔の人はなんて的確な言葉を考えるんだろうか。
職場でミスをしてしまった。
明らかに私の過失。
私自身で上司に謝り、代案を立てて……というつもりだったのだが、先輩がどうにかならないか、とフォローに回ってくれていた。私には技術のない部分で、何時間も手がないか尽くしてくれた。
怒られるのを覚悟で、上司に説明し謝罪すると、
「してしまったことは仕方ない。今からどうするか考えなくては」
と、私が思いつかなかった代案を立ててくれた。
しかも、私が迷惑をかけた相手方に頭を下げなくていい方法で。
「先輩方にもいろいろやってもらって迷惑かけてしまったんです」
と言うと、上司から
「あなただって、困っていたら助けるでしょ?」
と言われた。罪悪感から、一気に感謝の気持ちに変わる。
ここは。
「迷惑かけてごめんなさい」
ではなく、
「助けていただいてありがとうございます」
なのだろう。
情けは人の為ならず。
今まで特に見返りを求めて誰かを助けるという意識はなかったが、(ものすごく厚かましい考えなので人前でいうものではないが)今回助けてもらった時、自分の今までの行いが正しかったのだと安堵した。
今回助けてもらった嬉しさ、優しさを忘れず。
これから何のためらいもなく人を助けられるような人間でいたい。
ミスは結局取り消すことは出来なかったが、
先輩や上司の優しさに触れ、感慨深く思った1日であった。