ひねもすのたり物語り

HSPとあれこれ

あまり美術展行かない私がMocha展に行ってきた話

イラストや絵画は好きなものの、普段あまり個展などに行くことのない私。

しかし先日ネット広告を見て、心惹かれたこと、

そしてちょうど用事があって近くまで出かけていて、空き時間があったこと、

なにより『入場料無料』という言葉に惹かれて、

Mocha展に行ってきた。

 

正直絵に惹かれて行こうと思っただけなので、

『最近のイラストレーターさんかな?』くらいに思っていて、

またしつこく言うが入場料が無料ということで「ちょっと寄り道~」くらいとても気軽に行ったのを覚えている。

会場もそんなに広いわけでもなく、10分程度で見終わりそう…そんな感じだ。

 

会場につくと予想以上に行列が。どうやら混雑防止のため人数制限をしているようだ。とはいっても、10分も待たずとして中に入ることができる。

せっかくなのでMocha氏について今更ながら調べてみよう(本当に今更過ぎる…)。

 

…と!!検索バーに『Mocha展』と入れると、検索候補の中に

『Mocha展 怪しい』と、なんとも不穏な言葉が!!笑

 

気になって調べたところ、どうやら

①Mocha展は無料の展示即売会

②展示即売会のため販売員による絵画の説明があるが、それが他の展示即売会と比べ圧を感じる人が一定数おり、『押し売り』『居心地が悪い』という意見があるようだ。

③また、他の展示即売会に比べ、絵画の金額設定も高めなので怪しいと感じる。

 

というのがざっくりとした『怪しい』の内容だった。

ただこれに関して後で調べたのだが、実際に詐欺被害にあったなどという話は見つからなかった。買うつもりがなくても鑑賞する目的で訪れるのも全く問題ないようだ。Mochaさん自身が最近出てきたイラストレーター(画家?)のため、無料での即売会やセールスの熱量を怪しく感じてしまうのかもしれない。ただ、やはり実際に金額設定は高めのようだ(しかしこれに関しても、特殊版画技法で作られた絵画なので妥当なのかはわからない)。

 

入場直前になって『展示即売会』『セールスがあるかもしれない』ということを知った私。本当に絵に惹かれて気軽に来たんだな…と笑ってしまう。これぞ無料の魔力。でも展示即売会としてはうまいやり方だよな。間口を大きく。9割の人が買わなくても、1割の人に売れれば十分な利益があるのだから。なにより新進気鋭の画家を広く知られるためにとても効果的だと思う。

 

ちなみにHPでは任意の予約ページ(予約することで会場で特典が受け取れる)があったが、住所や電話番号を入れるのがなんとなく嫌で、予約なしで入場。

入場前に、何で知ったか?年齢・性別など簡単なアンケートを入力する。

入場特典のイラストカード(裏面がアンケートになっていて抜け目ない)もいただく。

(こちらのアンケートも、回答するとオリジナルアートグッズがもらえる!とのことで回答しようと思ったが、いろいろ個人情報打つのが面倒&心配でやめる(笑))

 

入場してすぐ素敵な絵画が目に飛び込んできた。

広告やHPで見た通り、とても幻想的で、きれいな風景画。

Mocha氏は空を描いた作品が多く、それも私の好みである。

(後で調べたところ新海誠作品の影響を受けてアニメの背景美術をしていたとのことで、納得である)

空と雲、一日の中でのその色の移り変わり…写真ももちろんいいけど、イラストだからこその美しさってあるよね。そしてイラストだから表現できる世界観もいいよね…

そして画像では気がつかなかったけど、ラメが施されてる…!可愛らしい…!見ていて飽きない…!

なんて眺めていたら早速販売員から声をかけられた。

先にそれを知っていてよかった…!!心構えが違う!!笑

まずはこれらが『版画作品』であることを聞いて衝撃を受ける。

てっきりデジタルイラストだと思っていた(『怪しい』という意見の中に『プリントして複製できるイラストが100万近いのはおかしい』という意見を見ていたので)。

ただ、私の『版画』のイメージは紙版画や木版画、銅版画だったため、いまいちピンとこず。

販売員さんとの会話の中で「原画はデジタルアートで、」とあったので、よけい混乱し、「下地がデジタルイラストで、その上にインクを載せて行ってるってことですか?」と聞くと肯定された(ただ、この時点でいろいろ食いついて聞いてしまったので、面倒で肯定されたの可能性もある…)。製作過程の様子を知りたかったが、それは展示されていないとのこと。簡単に言ってしまえば企業秘密のようだ。

それ以降同じ販売員さんが定期的に(3分に一回ほど)やってきて私に声をかけてくれた。一人だと声をかけやすいのか、それとも各お客さんに一人担当でつく感じなのか(販売員が多く、人数制限もされているので、そんな感じもある)。

いろんな人から声をかけられ同じ質問や会話を繰り返すよりはいいかもしれない。

 

一通り見終わり、出ようかなと出口に足を向けると、「どの作品が気に入りましたか?(要約)」と声をかけられる。

悩みつつ答えると、展示会場の中央の椅子スペース(絵を立てるイーゼルに向かって椅子が4脚ほどと、ライトのセットが5、6組)に案内される。

絵を見ながら歩いている間、確かに気にはなっていた、そのスペース。

絵を見ながら販売員から説明を受けている来場客。

どうやら最後にこうして販売促進?があるようだ。

 

多少身構えるものの、到底即決できるような価格帯ではなく(60万くらい~)、周りを見れば私と同じように「無料だしちょっと寄り道で来た」感じの人ばかりだったので「大抵の人は買わないだろうし、私もその方向で堂々としていよう」と切り替える。時間も当初予想していた10分をすでに十分越えていたが、特に予定も入っていなかったため焦る必要はない。それに販売員さんと話す中で知らなかったことをいろいろ知れたので正直ちょっと楽しかったのもある。

 

椅子スペースに座ると、すぐに私が気に入ったという一枚を販売員さんが持ってきてくれた。見て回っている時、何もかかっていない空間が時々あり、「ん?売れたのかな?」と不思議に思っていたが、こうして外されていたらしい。私が見ている間、他の来場者は見ることができないためなんだか申し訳ないが、そこは販売会だから許されるのだろう(これが普通の個展だったらクレームがありそうだ)。

 

てっきり価格について触れられ、購入を進められるのかと思ったが違った。

「お部屋に置いたとき、日の光がどのように当たってどのように絵の見え方が変わるのかをご覧になっていただきます」とのこと。

最初意味が分からなかったが、ライトが照らされると一気に理解できた。

私が持ってきてもらっていた一枚は《MEMORY》という一枚。

夜空を背景にした観覧車のイラストなのだが、その夜空がまたカラフルで幻想的で美しい。そしてその下にある観覧車の緻密さ。

それで十分きれいな絵だな、と思っていたのだが、

「これが朝日…」と上部からライトが照らされ

「そしてこれが昼の状態…」と中央に当てられ

「夕方の光…」と最後に下部が照らされる…。

照らされるごとに見えなかったものが見え、見えなかった色が輝き、

とにかく絵の表情がどんどん変わっていくのだ。

私は夜空の雲が好きでよく眺めているのだが、それがこの絵画の中で表現されていて、

本当に飽きずにずっと見ていられる。

 

正直「絵は見るものであって部屋に飾るまではいいかな…」「いや、そもそも飾るような部屋に住んでいないし」と思っていたが、少し欲しくなってしまった。

見透かしたように販売員さんから

「インテリアとしてではなくて、趣味として購入される方もたくさんいます」

「壁に掛けるだけでなく、立てかけて置いたりして飾ることもあるんですよ」とのこと。

 

えええ!!そんなの聞いたら買っちゃうじゃん!

 

と思いつつ、普段から何を買うにしてもいったん持ち帰って検討してから購入する慎重派の私。

「もし、次出会うことがあって、その時もやっぱりほしい!!って思って、

且つ買う余裕とスペースがある状態だったら買おう!!!!」

 

と夢を持ったのだった。

 

ただね、そんなことを考えていたので

最後のほうに販売員さんが言った「絵って衝動買いじゃないと買えないじゃないですか」には引っかかった!!!

結構フラッと立ち寄って買う人が大半らしい。

絵を買おう!って思って来るんじゃなくね。

 

いや!!ここに「いつか買いたいな」と決意した女がいますけど!?

 

私は好きなイラストレーターさんや作家さんがいると、長年追いかけてその人のことを知ったり、絵の変化に気づいたりする中でその作家さんとともに作品を好きになっていくんだけど、

絵単体に惚れて購入することもあるのかーと新たな視点を知った。

 

あくまで価値のある美術品として購入するんだろうなあ。

というか、こうした絵画のやり取りをする世界はそれが普通なのかも知れない。

絵を描く側になったことがあると、絵を通してその人の内面や製作過程、どうしてその色を使ったのか?など知りたくなるけど、

美術品としてやり取りするときには過程よりも形のある完成形として見るのかもしれないなと。う…うまく言えない!!!

そう思うと、改めて行ってみてよかったなと思う。

作品が生み出されたあとの、誰かの手に渡るまでの過程やその工夫(入場料無料や販売員との会話、勧め方など)を知ることができた。

 

以下会話の中で知ったことや、気がついたこと・疑問メモ

・版画は200枚までしか刷ってはいけないという国際的に定められたルールがある

・日光などが当たっても傷んだりすることなく、長期的に保管できる

・小さいキャンバスサイズのほうが高かったりする(売れるから・作るのが細かいから)

・じっくり静かに見たい人には向かない

・いろいろ話を聞きたい人はいいかも(途中いろいろ聞きすぎて販売員さんから離れていった…)

・Mocha氏男性なのか…!!女性かと

・通販はできないらしい

・しかしこれだけの販売員がいて、無料で開催できるってことはちゃんと黒字になるだけの販売実績あるんだな…

・やっぱり生で見ると違う

・ただの愚痴だけど、販売員よりグッズ売り場の店員さんのほうが怖かった…

 袋なしだったから袋もらえますか?って言ったら無言で入れて置かれた…えぇ…

・絵が買えないので「この絵、のちのち買いたいなって思ったことを忘れんなよ!」という気持ちを込めてグッズ購入。ただやっぱり違うわ…!!!あのライトで照らされて変化するあの感動をね!!!忘れないでおこう!!!

・でも冷静に考えて60万は高いわ…入場料500円くらいとって、30万で販売したらめちゃくちゃ売れそうだけどな。いや、特殊技法の版画界隈がわかんないけど。

 

 

とりあえず、行ってよかった!と思える美術展でした。

もうちょっとじっくり見たかったけどね!!

大丈夫そうな方はぜひ!!